船絞りという選択。圧をかけないことで生まれるもの

酵母05_1

絞り方が、味を決める

発酵が完了した後、どうやって液体を引き出すか。
この「絞り」の工程は、発酵飲料の味と品質を大きく左右します。
現代の製造現場では、効率を重視した強圧式の絞り機が主流です。
短時間で大量の液体を取り出せる一方で、強い圧力をかけることで果実のアク(雑味)まで一緒に絞り出してしまうという側面があります。
絞り方ひとつで、同じ素材からまったく異なる味が生まれるのです。

「船絞り」とは何か

酵母05_2

Cobobioが採用しているのは「船絞り」と呼ばれる伝統的な製法です。
浴槽や船の形に似た器具に素材を並べ、一つひとつ丁寧に袋に入れながら、1週間以上かけてじっくりと絞っていきます。
圧力をかけず、重力と時間だけを使って液体を引き出すことで、果実本来のエキスだけをきれいに取り出すことができます。
大吟醸などの高級日本酒の製造でも同様の手法が用いられており、雑味のない澄んだ液体を生み出す製法として知られています。

急がないことが、品質を守る

1週間以上かけて絞るということは、その間ずっと職人が状態を管理し続けるということでもあります。
温度や湿度、絞れてくる液体の状態を毎日確認しながら、丁寧に調整を重ねていきます。

酵母05_3

効率だけを追えば、もっと早く、もっと大量に作ることができます。 しかしそれでは、Cobobioが大切にしている「雑味のない、果実本来の力」を引き出すことはできません。

取り出したいのは、液体だけ

絞りの工程でもうひとつ大切なのが、液体と固形物をきれいに分けることです。
固形物が混ざったまま発酵が進むと、濁りや雑味の原因になります。
液体だけを丁寧に取り出し、そこから1年間の熟成へと進む。
この一手間が、最終的な味わいのまろやかさと透明感につながっています。

圧をかけないこと、急がないこと、手間を惜しまないこと。
船絞りという選択は、Cobobioのものづくりの哲学そのものを表しています。

酵母05_4